2025年3月1日公開 83分 / 5.1ch / DCP
整音・サウンドデザイン
小田香監督「Underground アンダーグラウンド」
整音とサウンドデザインを担当しました。
第75回ベルリン国際映画祭正式出品
第37回東京国際映画祭正式出品
作品データ
監督:小田香
プロデューサー:筒井龍平、杉原永純
テクニカルディレクション:長崎隼人
撮影:高野貴子
照明:平谷里紗、白鳥友輔
録音:長崎隼人
整音・サウンドデザイン:山﨑巌
グレーディング:長崎隼人
監督補佐・撮影補佐:鳥井雄人
撮影補佐:三浦博之
投影装置制作:岩田拓朗、平戸理子、山田大揮
スチル:権藤義人
プロダクションコーディネート:小山冴子、小田絵理子
音楽:細井美裕
タイトルデザイン・グラフィックデザイン:畑ユリエ
制作:トリクスタ
イントロダクション
地下の暗闇から、蠢く怪物のように「シャドウ(影)」が姿を現す。シャドウ(影)はある女の姿を借りて、時代も場所も超えて旅を始める。滲み出す地下水に濡れる、地下鉄が走る音を聞き、戦争により多くの人々が命を失ったほら穴の中で死者達の声に耳を澄ませる。
山奥の寺では、洞窟に続く、壁面に掘られた仏たちのために読経する僧侶の傍らに身を寄せる。そんな道行きの中、シャドウ(影)は、かつてそこで起きたこ
とをトレースしていくようになり、ふと入った映画館で出くわした映像に導かれ、湖の底に沈んだ街に向かうのだった――。
『ニーチェの馬』で知られる映画作家タル・ベーラが設立した映画学校で学んだ後、『鉱 ARAGANE』では、ボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱を、『セノーテ』では、メキシコ、ユカタン半島北部の洞窟内の泉と、異形の地下世界を題材に制作を続けてきた小田香が、三たび、遂に日本の地下世界にカメラを向ける。3年かけて日本各地をリサーチし、その土地に宿る歴史と記憶を辿り、土地の人々の声に耳を傾け、これまでとは全く異なる撮影体制で、地下の暗闇を16mmフィルムに焼き付けていく。その道行きには、映画作家・ダンサーの吉開菜央が、「シャドウ(影)」という存在を演じ、まるでその姿が歴史そのものであるかのように随伴する。
鼓膜がうち震えるほどの音響設計と、時折、漆黒の暗闇に揺れる眩い光がドキュメンタリーという枠を超え、我々の既成概念をぶち破る力強さで疾走していく。


